忍野八海とは、2013年6月に世界遺産となった富士山の構成資産として、近年人気となっている観光スポットです。
富士山を水源とする8つの湧水池があり、その透明度の高さか、青空を反射してとても幻想的な雰囲気に包まれます。
世界遺産に登録されたこともあり、その人気は日本のみならず海外からの観光客もたくさん訪れているとのこと。
今回は、その忍野八海の魅力を余すことなく味わえるおすすめ観光ルートと、所要時間、見どころをまとめました。
忍野八海とは
忍野八海の歴史
忍野八海はその昔、富士講の信者が富士修験の霊場として、富士登山前に身を清めるため水行を行った場所であるとされています。
しかし、富士信仰の衰退とともに水行も行われなくなり、第二次世界大戦後はほとんど訪れる人がいなくなりました。
その後、1985年に「全国名水百選」に選ばれたことで知名度が高まり、2013年の世界遺産登録とともに人気観光スポットとして現在に至ります。
名前の由来は北斗七星?
また、池なのになぜ名前に海が入っているか気になった方もいるかと思います。
忍野八海の名前の由来は、一番霊場である出口池を北極星、その他の池を北斗七星と見ることができるため、「池」という言葉では表せない程神聖なものであるとして、忍野八「海」と名付けたとされています。
それぞれの池の紹介
【番外編】中池
忍野八海といったらこちらの写真をイメージする方が多いのではないでしょうか。
水がとても澄んでいるので、かなり奥深くまで覗くことができます。また、天気のいい日は、水面に反射した青空の中を魚たちが泳いでいるように見え、とても神秘的です。
この「中池」、実は人口池であり忍野八海には含まれていないのですが、とても綺麗なため観光客もたくさん集まっています。
場所も鏡池と湧池の間にあるため、ぜひ立ち寄ってみてください。
お土産屋を通ることで中心の池に行くことができます。
一番霊場 出口池(でぐちいけ)
忍野八海で唯一離れた場所にある出口池。他の7つの池から徒歩でおよそ20分程度かかる場所にあります。
暑い日や雨の日など、歩くのが難しい場合は目の前に駐車場(駐車料金300円)がありますので、車で移動するのもおすすめです。
他の池とかなり離れているため、ほとんど観光客と会うことはありませんでした。
木の隙間から見る池はとても綺麗で神秘的。
出口池の奥に神社がありました。昔の人たちはここで参拝してから各霊場を巡っていったのかもしれませんね。
二番霊場 お釜池(おかまいけ)
お釜池は8つの池の中で一番小さい池です。小さい池ですが、水深は4メートルもあるそうです。
三番霊場 底抜池(そこなしいけ)
底抜池へ行くのはお金がかかる?
忍野八海は基本的に無料で見ることができますが、唯一、底抜池へ行くためには「榛(はん)の木林民俗資料館」を通らなければならず、入館料として300円が必要となります。
また開館時間は9:00~17:00までとなっており、訪れる時間によっては入れない場合もありますのでご注意ください。
ひっそりとした雰囲気のある底抜池は、静かでゆったりとした時間を過ごすことができます。
底抜池は、他の池と比べて水深が最も浅く、また、お釜池と水源が繋がっていると言われています。
四番霊場 銚子池(ちょうしいけ)
阿原川脇の小道を入っていったところにある小さな湧池です。
現在は縁結びの池とも呼ばれています。
五番霊場 湧池(わくいけ)
中池からほど近くにある、忍野八海の中で最もにぎやかな場所にある池です。
昭和53年(1983年)には、この池の水がNASAのスペースシャトルに載せられ、宇宙で人工雪を作る実験に使用されました。
ちなみに写真下側の藻の奥にはさらに池が続いているのだとか。全く見えなかったけど…。
近くにあったお店で購入。暑い日に冷たい桃がとても美味しかったです。
六番霊場 濁池(にごりいけ)
濁池の名前の由来は、「みすぼらしい行者が水を求めてやってきた際、粗末な身なりから断ったため、急に池が濁ってしまった」という伝説から名付けられたとされています。
なお、現在は湧水が流入しているため透き通っています。
七番霊場 鏡池(かがみいけ)
本来は逆さ富士が鏡のように反射するということから鏡池と呼ばれています。
僕が行った時は雲がかかってしまって見えなかった…残念!
八番霊場 菖蒲池(しょうぶいけ)
菖蒲がたくさん生えていることからその名が付けられた菖蒲池ですが、この池の菖蒲を体に巻くと病気が治るという伝説があります。
近くに住宅があり、他の池からも少し離れているため、観光客が少なく落ち着いて観光することができます。
その他おすすめスポット
榛の木林民俗資料館
底抜池へ行くために通る「榛(はん)の木林民族資料館」ですが、その資料館自体も見どころたっぷりなのでご紹介します。
こちらは入ってすぐにある「鯉の池」。こちらも中池と同様人工池ですが、鯉が泳いでいるのをとても近く見ることができます。
当時の建物も間近に見ることができます。
こちらは人口の滝。この滝の脇に虹鱒を触ることができる生け簀があります。
チャレンジしてみましたが、すばしっこくて触ることができませんでした。
こちらが資料館の入口。
18世紀後半に建てられた、現存する忍野村最古の茅葺き民家を資料館として開放しています。
資料館には、当時使用されていた家具や家財道具、蚕の養殖場、武具などが展示されています。
2階。もともと養蚕に使用されていた場所で、現在は当時使用されていた民具が展示されています。
底抜池を見た後は、この小道を通って入口に戻ります。
これだけ見どころがたくさんで入場料300円はとてもおトクですので、底抜池だけでなく資料館も是非ご覧ください。
富士山の雪解け水
湧池の近くにある、富士山の雪解け水が流れ出ているスポットです。
「30秒間手を入れてみて」とあるので入れてみることに。
30秒。めちゃくちゃ冷たくてこれ以上入れられないくらいでした。
新名庄川
お釜池の近くにある川。木陰が多く川沿いを散歩するととても気持ちいい。
散歩していると近所に住んでいると思わしき子供たちが挨拶してくれました。
こういう旅先でのちょっとした交流は楽しいですよね。
アクセス
車で行く場合
カーナビへは以下の住所を入力すると良いでしょう。それぞれの池に一番近い駐車場の住所となっております。
出口池:山梨県南都留郡忍野村忍草1105
その他の池:山梨県南都留郡忍野村忍草280
東名高速道路経由の場合
御殿場インターから国道138号線経由で所要時間約45分
中央自動車道経由の場合
河口湖インターから所要時間約20分
公共交通機関を利用する場合
御殿場駅から「河口湖方面行き」の路線バスに乗車し、「忍野八海」バス停下車(所要時間約50分)